カスケード制御について

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Q22. カスケード制御について基本的なことから教えてください。

カスケード制御について、FB(フィードバック)制御、FF(フィードフォワード)制御と関連づけてわかりやすく基本的なことから教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

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食品関連研究開発企業就業中の方


A22.ご相談にお答えします。

前職ではエレベーターの開発に携わっており、エレベーターのかごを動かすためのモーターの電気設計を12年間担当していました。後半はブレーキやロープなどの機械部分にも携わりました。
近年のエレベーターはすべてインバーター制御をしており、滑らかな乗り心地と騒音の少ない静かなエレベーターになっていますが、これをいかに実現するか、ということに苦労をしました。モーターの設計自体はそれほど難しくは感じませんでしたが、モーターを回転させるためにはインバーターに与える制御用の数値を決めていかなければいけません。その数値が何種類かあり、組み合わせを替えるとモーターの回転が均一でなくなり、その結果エレベーターの乗り心地が変わります。このため最適な数値を設定し、不均一な回転をなくしていくための最適な設定値を探り出すことに一番苦労をしました。並行して、エレベーターの機種を決めるための社内向けプログラムをExcelVBAで作成していました。

さて、ご質問のカスケード制御について回答いたします。
例えば、ある物体を電気コンロでT℃に加熱するという現象を考えます。

(1)温度センサーなどを使って物体の温度が現在何度(T1℃)であるかを測定
(2)目標値との差(T—T1)を考える
(3)加熱する割り合い(電力)を調整
(4)調整後の温度を測定する
以上の繰り返し作業を自動的におこなっていくことがFB(フィードバック)制御になります。

つまり、FB制御は下記の手順でおこなわれます。

「温度の計測」 → 「制御演算」 → 「電力の調整」 → 「温度の変化」 → 「温度の計測」 → ・・・

この繰り返しを閉ループといいます。
このとき、物体の温度を変える他の要因(外乱)があった場合は、温度の変化の仕方が変わってしまい、先ほどの「電力の調整」をやり直す必要がでてきます。
しかし、電力の調整は「温度の変化」が出てからでないとできません。外乱の影響による温度変化には時間がかかるものもありますので、結局、目標値に達するまでの時間(応答時間)が長くかかってしまいます。
外乱があった場合の図は下記のようになります。(一般的には下記の図はブロック図と呼ばれるもので描かれます。市販の制御工学の参考書等を参照ください。)


「外乱」

「温度の計測」 → 「制御演算」 → 「電力の調整」 → 「温度の変化」 → 「温度の計測」 → ・・・

外乱にはいろいろなものがありますが、その外乱があらかじめどんなものか予想できる場合は、前もってその影響を抑えるような修正動作をすることで応答時間を短くできます。これをFF(フィードフォワード)制御といいます。

さて、カスケード制御とは、外乱の部分にFB制御を使う方式です。この時、FB制御の中にもう一つのFB制御を使うことになり応答を早めることができます。さらに何重にもFB制御を重ねることも可能です。
もちろん、こういったFB制御ができない、予想ができない外乱もありますので、全ての場合に使えるわけではありませんが、ある程度予測できる外乱に対しては応答速度を速めることが可能です。こういった制御をカスケード制御といいます。

今回は本当に簡単にしか述べていませんので、ご不明な点、さらなる質問があれば、いつでも気軽にご質問下さい。


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