電気・電子・精密設計
電気・電子・精密機器設計にはどんな人材が求められている?
設計とは、「仕様を考える」「図面を引く」というイメージが強いもの。しかし、現代のものづくりでは、製品の仕様を決めるのは設計者だけの判断ではなくなっています。コンカレントエンジニアリングなどの「協業」によるものづくりの現場では、コストや工期の制約、マーケットニーズなど、様々な制約があるからです。
今の設計者は、図面作成をCADオペレータに託して、自らは総合的な立場から図面のチェックや、他部門との調整、外注業者とのネゴシエーションに当たることが多くなってきました。
お客様のニーズはもちろん、様々な制約に応えるためにがんばった設計が、大きなチャンスを切り開いた例も多くあります。制約をいかにチャンスに変えられるか、挑戦しがいのあるポジションと言えるでしょう。
常識にとらわれずに技術を見る力
会社によっては、他社メーカーの機械をお客様のニーズに合わせて改造するといった変わった案件の中でさまざまな学習を行なっている、ということもあります。本来的ではない仕事と思う人もあるかもしれませんが、幅広い機械の電気設計を手がける経験になり、一流の技術者への成長に役立つものなのです。
幅広い好奇心や学習意欲は多くの職場で求められるもの。単に製品の電気回路設計技術だけではなく、製品を構成するメカ技術やソフト技術についても、関心を持ち少しずつ経験していくような、マルチな技術者になっていきたいものです。
そのためには、1つの職場だけの常識にとらわれてはいけません。前職の経験を振り回すよりも、違う経験、常識を融合させることにより、新たな常識を生み出すことができるような力が必要です。エンジニアの転職全般に言えることかもしれませんが、設計技術者が仕様を決定するまでには、技術的な引き出しを増やし、あの手この手の検討の中から、最適な仕様を導き出せるようになりたいものです。
資格としては設計の経験はもちろん、3DCAD等の実務経験を求められることが多いため、やはり主流となっているCADソフトを使えるようにしておきたいところ。今こそエンジニアとしての実力に合った、適材適所の企業で思う存分実力を発揮しましょう。